雄峯閣 ―書と装飾彫刻のみかた―

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豊国神社 唐門(京都市東山区)

豊国神社

○データ
・書:豊国大明神
・筆者:後陽成天皇(1571〜1617)
・年代:慶長4(1599)年 29歳
・創建当初のものと伝わる

○みどころ
豊国社は明治時代に再興するのですが、 それまで大事に保存されていた額だといわれています。
もし書について細かく見たい方は、参考にあげた鳥居額を御覧下さい。 網などがかかっていないので見やすいです。

書についてですが、「豊(旧字体)」の上部が桐紋の花のような姿 をしており、下部、口の下に当る2画は飛ぶ鳥の形をしています。横画はいずれも 起筆と終筆でこぶのようにしています。
「国(旧字体)」はくにがまえは何の変哲もないように見えますが、内部の画は 揺れに揺れ、怪しげな空気が漂っているかのよう。
「大」は横画もさることながら、2画目の左払いは上昇し、3画目の右払いは震えが見られ、 「明」の6画目のはねにいたってはその震えが顕著に見られます。
そして「神」はこれでもかといわんばかりに起筆と終筆をためており、まるでバーベルのよう。
まさに雑体書のオンパレードといわんがばかりですが、この時期くらいから 空海の書を模倣して一流をなした大師流が出てきているのも見逃せないかもしれません。

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