○撮影場所:東京都葛飾区 柴又帝釈天(題経寺)帝釈堂
○制作年代:大正末期〜昭和9(1934)年
■概説
釈尊が迦葉に話した喩えである。
雲から雨が降る。それを受け止める草木は多種多様、千差万別である。雲は仏であり、
雨は教え、草木は人間であるとするならば、仏の教えはそれぞれの資質に応じて理解していく
ということである。
・『法華経』薬草喩品第五(岩波文庫『法華経』上)
仏の平等の説は 一味の雨の如くなるに 衆生の性に随って 受くる所、
同じからざること かの草木の うくる所、各、異るが如し。
仏は、この喩をもって 方便して開示し 種種の言辞をもって 一法を演説すれども
仏の智慧においては 海の一滴の如し。 われは、法雨をふらして 世間に充満
するに 一味の法を 力に随って修行すること かの叢林 薬草・諸樹が その大小に
随って 漸く茂好を増すが如し。