○撮影場所:東京都葛飾区 柴又帝釈天(題経寺)帝釈堂
○制作年代:大正末期〜昭和9(1934)年
■概説
インドでは女性は成仏できないといわれ、救いがなかった。ところがこの「提婆達多品」
では「畜生(龍)で女性、しかも8歳の子ども」が成仏したと言う話が取り上げられる。
これはどんな条件があろうとも誰もが法華経を信じ修行すれば成仏できると言う証明である。
写真は、竜女が釈尊に宝珠を捧げるところ。竜女は釈尊に恩を感じており、
非常に価値のある宝珠を捧げたのである。
・『法華経』提婆達多品第十二(岩波文庫『法華経』中)
その時、竜女に、一つの宝珠あり、価値は三千大千世界なり。持って以って
仏にたてまつるに、仏は即ちこれを受けたもう。竜女は、智積菩薩と尊者舎利弗に
いいて言わく「われ、宝珠をたてまつるに、世尊は納受したもう。この事、すみやか
なるや、いなや」と。答えて言わく「甚だすみやかなり」と。
女の言わく「汝の神力をもって、わが成仏を観よ、またこれよりもすみやかならん」と。
このときの衆会は、皆、竜女の、忽然の間に変じて男子と成り、菩薩の行を具して、
すなわち、南方の無垢世界に往き、宝蓮華に坐して、等正覚を成じ、三十二相・
八十種好ありて、普く十方の一切衆生のために、妙法を演説するを見たり。