○撮影場所:愛知県半田市 成岩東組・旭車
○制作年代:大正年間 初代彫常
余りにも有名な、武田信玄と上杉謙信、川中島での一騎打ち。
錦絵では恰好の材料となったが、装飾彫刻ではほとんど見ない。
■概要
武田信玄(大永元【1521】〜元亀4【1573】年)、上杉謙信(享禄3【1530】〜天正6【1578】年)、ともに
戦国大名。5回にわたって繰り広げられた川中島の合戦が有名であるが、そのうち第4回の戦いで一騎打ちがあったとされる(『甲陽軍鑑』など、但し、
信憑性は低い)。この場面は錦絵の格好の題材とされ、多く残っているが、装飾彫刻で用いられているのは
管見の限り、この1件だけである。
橘守国『絵本故事談』(正徳4【1714】年)にはこの一騎打ちの場面が挿絵として用いられている。
・橘守国『絵本故事談』(正徳4【1714】年)(神谷勝広校訂『和製類書集』2001年 国書刊行会)
或日謙信面をつつみ信玄に忍びよりてうたんとす。信玄団扇を以てこれをうけて
あやうきをのがるといへり。