○撮影場所:茨城県稲敷市 大杉神社
〇制作年代:正徳年間(1711〜1716)
場面は姜詩の孝行を感じ取った天が、川と鯉を出現させたところ。
・姜詩の姿:新湊曳山祭奈呉町山
■物語(中国二十四孝)
姜詩は母に孝行な人で、母の願いを夫婦で聞いていた。
母が水や魚が欲しいと言えば、遠くまで取りに行っていた。
ところがある日、姜詩の家の前に川と鯉が現われた。天が
夫婦の孝行に感じ入ってそれらを与えた、といわれる。
・中国二十四孝 姜詩(日本古典文学大系『御伽草子』)
姜詩は母に孝行なる人なり。母つねに江の水を飲みたく思ひ、また
生魚の鱠をほしく思へり。すなはち姜詩妻をして六七里の道を隔てたる、
江の水を汲ましめ、また魚の鱠をよくしたためて与え、夫婦とともにつねに
よく仕へり。ある時姜詩が家の傍に、忽ちに江の如くして、水湧き出で、朝毎に
水中に鯉あり。すなはちこれをとりて母に与え侍り。かやうの不思議なる
ことのありけるは、ひとへに姜詩夫婦の孝行を感じて、天道より与え給ふなるべし。