○撮影場所:茨城県稲敷市 大杉神社
〇制作年代:正徳年間(1711〜1716)
場面は子どもの黄香が父の布団を扇いでいるところ
・黄香の姿:黄香百態
■概要
中国二十四孝の一。
装飾彫刻でも二十四孝の一つとして使われており、
これだけ単一にあることはまれ。
寝床を扇ぐ姿が用いられる。
■物語(中国二十四孝)
母に先立たれた黄香は、父のために孝行を尽くす。
暑い日には父の寝床を扇ぎ、寒い日にはそれを暖めたと言う。
それを見た太守が孝行第一の人と黄香を褒め称え、看板を立てて広めた。
それが中国全土に広まり、孝行第一の子とされた。
・中国二十四孝 黄香(日本古典文学大系『御伽草子』)
黄香は安陵といふ所の人也。九歳の時母に後れ、父に能仕えて、力を尽くせり。
されば夏の極めて暑き折には、枕や座を扇ひですずしめて、又冬の至つて寒き時には、
衾のつめたきことを悲しんで、わが身をもつて温めて与へたり。かやうに孝行なるとて、
太守劉カンといひし人、札を立てて、彼が孝行をほめたる程に、それよりして人皆黄香
こそ孝行第一の人なりと知りたるとなり。