○撮影場所:茨城県稲敷市 大杉神社
〇制作年代:正徳年間(1711〜1716)
雷が鳴るなか、王ホウは墓に母のために寄り添う。
■概要
二十四孝の一。
雷が鳴るさまを雷神で表現し、王ホウが墓参している図像がほとんど。
■物語(中国二十四孝)
王ホウの父は思いがけない帝王の命により処刑され、それを恨んで
その方向を見て座らなかった。父の墓所で泣き悲しむと、その涙で木々が
枯れてしまうほどだった。
王ホウの母は雷が嫌いな人で、母が亡くなった後も雷が鳴る時は急ぎ
母の墓所へ行き、墓守をするくらいであった。
両親が亡くなっても、孝行を尽くすことは有難いことである。
・中国二十四孝 王ホウ(日本古典文学大系『御伽草子』)
王ホウは営陰といふ所の人也。父の王義、不慮の事によりて、帝王より法度に行はれ、
死けるを恨みて、一期の間その方へは向ふて、座せざりしなり。父の墓所にゐて、ひざまづき
礼拝して、柏の木に取付て泣き悲しむ程に、涙かかりて木も枯たると也。母は平生雷を恐れたる
人なりければ、母空しくなれる後にも、雷電のしける折には、急ぎ母の墓所へ行き、王ホウこれに
ありとて、墓をめぐり、死したる母に力を添へたり。かやうに死して後まで孝行をなしけるを
もつて、生ける時の孝行まで、推し量られて有りがたき事どもなり。