■概要
龍王は『妙法蓮華経』では八部衆に属し、八人の龍王(難陀、跋難陀、娑伽羅、
和脩吉、徳叉迦、阿那婆達多、摩那斯、優鉢羅)の名が挙げられる。
また、千手観音ニ十八部衆には難陀、娑伽羅が、長谷寺十一面観音の守護として
難陀が、そして弘法大師空海が勧請したという善女龍王(絵画の作例として現存、平安時代
・国宝)が龍王の種類として挙げられる。
本来の姿は龍身であるとされるが、その造形は龍冠を戴いたり、龍頭人身、もしくは
龍を身に纏う姿である。先に挙げた善女龍王の場合は、姿は高貴な男性であるが、
よく見ると尻尾がのぞいており、龍の化身であることを表わしている。