○撮影場所:富山県小矢部市 石動曳山祭中新田町山(鏡板)
○制作年代:天保5(1834)年
龍と戦う姿。「スサノオノミコトの大蛇退治」と題がつけられている。
※スサノオの姿:スサノオ百態
■概要
『古事記』『日本書紀』に出てくる
神。姉にアマテラスオオミカミ、兄にツクヨミノミコトがいる。
血気盛んで、姉とのけんか、高天原(たかまがはら)
での大暴れがあるが、ヤマタノオロチ退治の話は有名。
ただ、この神は一筋縄ではいかず、京都の八坂神社で祭っていた
牛頭天王(ごずてんのう)と同一だとか、難しい話が絡んでくるのも
この神の特徴。
・『古事記』上巻(倉野憲司 校注『古事記』岩波文庫)
かく設け備へて待ちし時、その八俣大蛇、信に言ひしが如来つ。
すなはち船毎に己が頭を垂入れて、その酒を飲みき。ここに飲み酔ひて留まり伏し寝き。
ここに速須佐之男命、その御佩せる十拳剣を抜きて、その蛇を切り散りたまひしかば、
肥河血に変りて流れき。
・関連:日本神話
・謡曲『大蛇』(野上豊一郎『解註謡曲全集6』)
尊(みこと)は十拳の神剣を抜き持ち、遥かの岸より下り給えば、大蛇は驚き怒りをなせども、毒酒に酔い
伏し通力失せて、山河に身を投げ漂い廻るを、神剣を振り上げ斬り給えば、斬られてその尾は雲をうがち、
尊を巻かんと覆えば飛び違い、巻きつけば斬り払い、廻れば廻る互いの勢い、神は威光の
力を顕し、大蛇を斬り伏せたちまちに、その尾にありし剣をとって、叢雲の剣とぞ名付けける。