○データ
・場所:群馬県富岡市 貫前神社
・年代:寛永12年(1635)造営、元禄11年(1698)修理
・国指定重要文化財
貫前神社は上野国一宮、古くは安閑天皇の時代(6世紀前半)より鎮座していたと言われます。中世、
武家の尊崇を集め、江戸時代には徳川家の庇護を受けていました。立地はいわゆる「下り宮」、本殿が
境内入口よりも低い位置にある独特の配置です。
拝殿・本殿は寛永から元禄期、装飾彫刻は当たり前のようにある時代ですが、彫刻は木鼻と蟇股のみ、
それでも絢爛に見えるのは到るところ彩色が施されているからでしょう。ところが最近の修理で
その絢爛さは蘇ったものの、彫刻に対しての彩色が違うものが見受けられます。吐綬鶏は緑色を基調としている
はずなのに、青や赤で彩色されていたり、どうしてこうなったかは皆目見当がつきませんが、残念なことになって
いるのは否めません。