○データ
・場所:福井県越前市 大滝神社拝殿・本殿
・年代:天保14(1843)年
・装飾箇所:唐破風 木鼻 欄間 手挟 隅尾垂木 蟇股 脇障子 羽目板
・国指定重要文化財
大滝神社は越前和紙の名産地である越前市(旧今立町)にあり、
推古天皇の時代からあったと言われます。奈良時代には白山を開いた
泰澄が大滝寺を建立、以降、戦国時代まで興隆を極めました。しかし
織田信長と一向一揆勢の戦闘に巻き込まれ衰退。その後復興を果たしますが、
明治維新後の神仏分離令によって大滝神社のみ残ることとなりました。
現存する社殿は天保14(1843)年の再建。本殿と拝殿が一緒になっていますが
本殿のほうが一段高くできています。また、屋根が非常に複雑にできており、技術の円熟をうかがわせます。
そして何よりも装飾彫刻の多さ。彩色こそされていませんが、本殿の羽目板(壁)にまで彫刻が施されており、
北陸では珍しい姿をしています。
建物こそは小さいのですが、装飾の濃さから、北陸の装飾建築の至宝といっても過言ではない建物です。