○データ
・場所:東京都葛飾区 題経寺(柴又帝釈天)
・年代:境内は明治から昭和初期、帝釈堂の彫刻ギャラリーは大正11(1922)年から昭和9(1934)年
・葛飾区登録文化財
題経寺というよりも柴又帝釈天の方が名は通っているこの寺院は、映画「男はつらいよ」の
舞台であり、下町情緒を色濃く残したところです。
寛永年間の開基と言われますが現在ある建築は全て明治〜昭和初期のもの。彩色なく素木ですが、
重厚な作りで、かつ余すところなく彫刻が施されています。
特に注目すべきは帝釈堂の周囲に彫られた彫刻で、通称彫刻ギャラリーと言われています。
10枚の胴羽目彫刻には法華経の説話から選択されたものが彫られており、間近に見ることができます。
彫刻は全て素木でまさに彫で勝負の世界。しかも説話の表現なので緻密な表現を見ることができます。
その他にも二天門の猿や羅漢、手水舎の龍、帝釈堂扉の十二支など全て素木ではありますが、
彫刻の妙を見るにはもってこいの場所です。