○データ
・名称:中町
・創建:元禄5(1692)年
・明和9(1771)年に大破
・寛政8(1796)年再建
・嘉永5(1852)年、下部分を修理
・昭和20年以降、度々の修理
○メモ
中町曳山は新湊曳山の中でも極めて異質な山です。
その高さもさることながら、曳山を飾る花傘、その上に据える標識がなく、しかも中段
(唐子人形が4体いる場所)から上が回転するという仕掛けです。どのような意図
があったのかわかりませんが、関東の曳山との類似性が指摘することができ、何らか
の影響があったのかもしれません。
王様は寿老人。姿は福禄寿といいたいところですが、伝承ではそうなっています。
1段下がって唐子が4体、それぞれ軍配、采配を持つ唐子と素手の唐子がいますが
前者は男性、後者は女性で陰陽和合を表しているといわれます。
中段欄干部分には飾金具と鶴の彫刻(新しいものと思われる)、1段下がると
山鵲と思われる鳥の彫刻に鶴の飾金具、そして御簾がかけられています。前後左右いずれも
この姿で統一されています。
飾りは最小限ですが、飾りをせずとも十分にこの曳山は目立っています。