屋根を飾るのは対の飛龍。中段の欄干にも飛龍が施されていますが、
これは飛龍が龍の子であるからでしょう。
これは鯉に通じることで、鯉もまた龍の子とされています。
上段欄間は彩色牡丹ですが、破風には金色の兎と漆黒の烏が。
これは月と太陽を象徴しています。
中段欄間には素木の波に金色の鯉が彫られ、幕は赤地に金で波が描かれる
中に鯉が泳ぐ姿。柱には滝が表現され、それを登ろうとする鯉。「鯉の滝登り」
が柱に現れています。
背部見返り幕には大きく描かれた琴高。もうひとつは徳川家16代当主
徳川家達(1863〜1940)による書が用いられます。
琴高自体は見返り幕でしか見られないのですが、琴高の象徴としての
鯉や飛龍で埋め尽くす様は、この屋台自体が琴高を表現していると言ってもいいでしょう。