○データ
・場所:京都府京都市東山区 知恩院御影堂
・年代:寛永16(1639)年 徳川家光の再建
・国宝
知恩院は浄土宗の総本山で、今の境内は徳川将軍家によって
整備されたものです。その建物の巨大さは、もし京都で戦いが起こった時に、徳川家の
陣にするため、と言われるほどです。
御影堂は法然(1133〜1212)をまつる建物として、徳川家光により再建
されました。
さて、装飾は向拝部分に集中しています。木鼻の獏、蟇股向かって左から
犀(裏は波)、麒麟(裏は雲)、龍(中心 裏は波)、虎(裏は笹)、
唐獅子(裏は牡丹)、手挟向かって左から蓮、龍、迦陵頻伽、天女、龍、蓮、
そして妻飾りには牡丹と蟇股に鳳凰。
また、扉の落とし金の部分には劣化が激しいとは言え
亀や河童?、蝉?の金具が取り付けられています。
彫刻は仏教的な主題と中国的なものが混合していますが、
あえて言えば主に魔除けの意味が強いものといえましょう。
ただ、落とし金の金具については防火(亀・河童)と
泥棒よけ(蝉)が混ぜてあり、見ものです。
彫刻が素木であるのは信濃善光寺などの浄土宗関係、もしくは東西本願寺の
阿弥陀堂や御影堂にもいえることですが、外観は控えめに、内部、特に本尊のおわす
内陣より奥は絢爛豪華(浄土の表現)にと言う点で共通しています。