○データ
・場所:東京都台東区 上野東照宮
・年代:寛永4(1627)年、藤堂高虎による 現社殿は慶安4(1651)年、徳川家光による
・装飾箇所:透塀欄間 唐門唐破風部分 羽目部分
・国指定重要文化財
上野東照宮透塀は、社殿を一周囲むように、唐門は社殿正面にあります(通行不可)。
透塀は境界線であり、唐門はよほどの身分を有していなければ通れない、身分を
選ぶ門です。
装飾は透塀外側内側欄間部分、しかも塀の上下に施されています。上部は陸に棲む
動物(特に鳥類が多い)・植物が、下部は水にちなむ動物・植物が彫られています。
彩色は今はなく、
赤の下塗りのみ(残念ながら、厚塗りされているからか、彫刻の状態が良くない)ですが、
一部の欄間には金箔を施した姿が認められます。また、戦後の進駐軍によって欄間のいくつかが
「土産物」として持ってかれており、特に本殿後方部外側は5枚しか残っていない有様です。
一方唐門は透塀よりも金箔を施した姿が残っており、左甚五郎が彫ったという
昇り龍・下り龍などを今も見ることができます。
平成26(2014)年より彩色修復後の姿が一般公開されました。
透塀の本殿後方部などは拝観区域外となっていますが、彩色がすべて蘇り(一部推定)、
何が彫刻されているのかがわかるようになりました。唐門の龍なども往時の姿を取り戻し、特に
諌鼓鳥の羽目板は必見です。