○撮影場所:富山県高岡市
伏木曳山祭石坂町山
○制作年代:万延元(1860)年
枕慈童も仙人の部類だが、仙童という位置づけなので 顔は若く見えるようにしてある。
■概要
別名菊慈童。中国の仙人で、日本では能で有名。
菊が咲き乱れる場所に慈童という童顔の仙人がいて、
700年生きているという。
この仙人の持つ枕には『法華経』の句が書いてあり、その句
を菊の葉に写して川の流れに浮かべると、葉にのった雫が
不老不死の薬となり、慈童はそれを飲んでいたという。
このことから、菊水が長寿の象徴とされ、縁起の良いものといわれている。
川に対して「菊」の字を冠したり、お酒の銘柄に使ったりするのはこのため。
・謡曲「菊慈童」(野上豊一郎『解註謡曲全集4』)
具一切功徳慈眼視衆生、福聚海無量是故応頂礼。
この妙文を菊の葉に、置く滴りや露の身の、不老不死の薬となつて七百歳を送りぬる。
汲む人も汲まざるも、延ぶるや千歳なるらん。