手挟(たばさみ)とは、寺院・神社建築ならではのパーツで、それ以外で見かけることは まずありません。まずは写真を御覧下さい。
写真は富山県高岡市勝興寺本堂(重文)です。写真左側が本堂、右側が外になります。
ですのでこの写真は、正面から撮ったものではありません。
赤で囲んだ部分がここで紹介する手挟という部分です。
その下に黄で囲んだ部分がありますが斗キョウ(きへんに共)といいます。
つまり、斗キョウと屋根の部分が開くので、そこをうめているのが手挟というわけです。
ちなみにここ全体は向拝(ごはい)といいます。これについてはまた別に説明するとして、 青で囲んだ部分は柱、緑で囲んだ部分は木鼻となります。
もちろんこの手挟も最初から彫刻が施されていたわけではないようです。あったとしても雲とか、 非常に地味であったらしい。ところがこれがだんだんと派手になっていきます。桃山時代以降 のことです。
手挟は寺院・神社に行かないと見られません。しかも、必ずあるとも限りません。 しかし、手挟があれば、そこは彫刻がされている確率が非常に高いです。