○撮影場所:栃木県日光市 日光東照宮廻廊外壁
○制作年代:寛永13(1636)年
ぱっと見た限り牡丹と区別が付かないが、葉やつぼみの形は全然違う。
■概要
バラ科バラ属。一般的には西洋の花というイメージが強が、日本原産のバラも
「野茨(のいばら)」などいくつかある。
装飾で使われるのは限られているが、日光東照宮ではそれなりの数があり、
また、伊達政宗の孫に当たる伊達光宗(1627〜1645)の廟所である円通院三慧院厨子にはバラの絵が描かれており、
支倉常長(1571〜1622)が持ち帰ったものを写したものとされている。
○特徴
・花は大きく、多弁
・葉は楕円形
・咢(がく)がつぼみを包むようにある
・類似:牡丹
芙蓉
蓮
■意味
中国では長く伸びる蔓のことを「蔓帯」といい、「万世」に通じることから
装飾に用いられたという。また、鮮やかな花をつけることから「花の后」と愛でられた。
長春という名から、春が長く続くという意味を付与され使用されるという。
・高藤晴俊『図説社寺建築の装飾』
・『中国五福吉祥図典 寿』
参考ホームページ:円通院