○撮影場所:富山県富山市 八尾曳山祭西町山
○制作年代:明治初期
ともにある彫刻が
住吉明神なので、
謡曲「白楽天」の場面だとわかる。
※参考図版:住吉明神(セットの彫刻)
○出典:謡曲「白楽天」
・関連:能の人物
■概要
772〜846。中国唐の時代の詩人で字は楽天。代表作
『白氏文集』は日本文化に多大なる影響を与え、平安貴族の教養に欠かさないものとされた。
白居易はまた、能楽に登場する。史実ではないが白居易が日本に渡航し、
そこで年老いた漁夫に会い、漢詩を作ると漁夫は即座に和歌で返した。漁夫は隠れ、
再び白居易の前に住吉明神として現われ、舞を見せたと思いきや白居易を神風で追い返すという話である。
■物語
謡曲「白楽天」では唐船に乗った白居易(白楽天)の目の前に小舟に乗った漁翁の姿で現れる。
白居易は漢詩と和歌の問答を漁翁とおこなう。白居易は漁翁の博識ぶりに何者かと疑うが、漁翁は素性を
明かさず、さらに舞を見よと白居易を圧倒する。
舞うとき、はじめて漁翁は住吉明神と素性を明かし、神風を起こして、白居易を追いかえしたのである。
・謡曲「白楽天」(野上豊一郎『解註謡曲全集1』)
抑もこれは、唐の太子の賓客、白楽天とはわが事なり。さてもこれより東に当つて国あり。名を
日本と名づく。急ぎかの土に渡り、日本の智慧を測れとの宣旨に任せ、唯今海路に赴き候。