○メモ
荒屋町曳山は再建されて50年近くの曳山です。新しいものではありますが、
彫刻で勝負といわんがばかり。彩色はなく素木です。再建の時は
海老江西町曳山が
荒屋町のモノを参考にして造られていたことから、逆参考したそうです。
標識は千枚分銅を重ねたもの。明治期もこの姿をしていました。
王様は大国天。幾度の火災にも難を逃れた数少ないものです。もとは
恵比寿だったのですが、奈呉町曳山の王様と交換したといいます。
前人形は鉄棒をする唐子。
彫刻に目をやりますと、上段は鳳凰、牡丹、波などで飾られ、前面には2匹の猿、
背面鏡板には富山に縁のある大伴家持が彫られています。
中段は獅子・牡丹、龍がいますが、なんと言っても見所は仙人彫刻です。
富山県南砺市瑞泉寺の彫刻を参考にしたと言われ、前面は琴高・蕭史、向かって左側は
鐘離権・劉海蟾(蝦蟇仙人)、向かって右側は鉄拐先生・張果老(背面は判断中)、が
います。
やはり時代が時代ゆえか、地元に縁のある大伴家持を題材にしたりしているところもありますが、
中段の仙人たちはその彫りの姿といい、分かりやすい図像といい、見る価値があります。