○データ
・名称:新町
・創建:正徳5(1715)年
・安永3(1774)年新造
・江戸後期、3度にわたって修理、補修
・明治37(1904)年修理
・昭和28(1953)年大修理
○メモ
新町曳山はその美しさから江戸時代後期には「千両山」と呼ばれました。特に飾金具の
多さなどは遠目から見てもよく目立っています。
標識は法螺貝。名品といわれたそうですが残念ながら大正時代に電線に引っ掛けて
落ちました。今のはその後に作られたものです。
王様は神功皇后と武内宿禰、もとは3体あったといいますから、これに応神天皇も加えられていたと推測できます。
どういう事情かは分かりませんが、いつの間にか1体いなくなりました。
彫刻は上段左右に松、竹、菊。背面鏡板には平安時代の歌人、和泉式部が
飾られています。
しかしこの曳山で見るべきは飾金具です。上段の雀や麒麟もさることながら、
中段の飾金具である「蜂に鬼灯」「蜘蛛の巣と落葉」「撫子と蜂」「イチゴに蜻蛉」
「蕗にカマキリ」「稲にイナゴ」「芭蕉に蜻蛉」「朝顔にカタツムリ」「撫子に蝶」
「蜂にユリ」「蜘蛛」「芭蕉に蝉」などは江戸時代末期の工芸の華を見る気さえします。
遠くから見ても飾金具のよさはわかりませんが、近づける機会があったら
是非見て欲しいものです。