高尾山薬王院飯縄権現堂
○データ
・場所:東京都八王子市 高尾山薬王院飯縄権現堂
・年代:享保14(1729)年建立 宝暦3(1753)年拝殿・幣殿再建
文化2(1805)年大改修 昭和40〜43(1965〜68)年、平成10(1998)年修理
・装飾箇所:拝殿・本殿の全体、透塀
・東京都有形文化財
・参考:飯縄権現堂前の立て看板 とことこ高尾山
高尾山薬王院は関東における真言宗智山派三大本山の一つで、奈良時代の僧、
行基によって薬師如来を安置したことに始まります。時は下って南北朝時代、
俊源という高尾山中興の祖が祀った飯縄大権現が多くの信奉を寄せ、戦国時代には
武田・上杉・北条氏から、江戸時代には多くの庶民から崇敬されました。
さて、ここで紹介する飯縄権現堂は江戸時代中期の建築で、写真にあるように
朱色を基調とした姿。拝殿・幣殿・本殿の三棟が連なるいわゆる権現造の建築です。
装飾は彫刻によるもので、屋根の妻飾り、破風飾り、蟇股、欄間、木鼻、壁にまで
施されており、その全てが極彩色で彩られています。また、基礎部分にまで彫刻が施されていたり、
海老虹梁がその姿を留めず龍の姿となっているなど、関東の装飾彫刻ならではの
姿をここで見ることができます。
なお、透塀のため本殿装飾は見難く、本殿後方装飾は特に難儀しますが、是非とも
御覧になることをお勧めします。
○装飾配当表
透塀 |
左側手前より |
杜若に鷺 |
梅に鳥 |
雉 |
雉 |
松に鶴 |
菊に雉 |
右側手前より |
鶴 |
雉 |
梅に山鵲 |
桜に鳥 |
枇杷に鶏 |
桐に鳳凰 |
後方 |
ミミズク |
錦鶏 |
粟に雁 |
松に鳥 |
鳥 |
水仙に雀 |
拝殿装飾(正面) |
妻飾り |
懸魚 |
唐狭間 |
蟇股 |
梁 |
左右木鼻 |
海老虹梁(2) |
手挟(4) |
狐 |
亀 |
林和靖 |
狐・龍・狐 |
菊水 |
獏・獅子 |
龍 |
菊 |
正面手前枇杷板 |
鶴・綬鶏 |
鶴・雉 |
鶴・鳳凰 |
鶴・雉 |
正面手前欄間 |
仙人 |
菊慈童 |
仙人 |
費長房 |
正面奥枇杷板 |
鶴・馬 |
鶴・兎 |
鶴・麒麟 |
鶴・山鵲 |
鶴・犀 |
鶴・鳥 |
鶴・牛 |
鶴・猿 |
正面奥欄間 |
松・象 |
紅葉・鹿 |
― |
― |
― |
― |
梅・羊 |
獏 |
拝殿装飾(左側) |
妻飾り |
懸魚 |
壁 |
木鼻 |
枇杷板(3) |
裏欄間 |
水・沢潟に鴫 |
牡丹 |
鐘離権 |
獅子 |
鶴 |
鸞? |
左側欄間 |
王子喬 |
仙人 |
仙人 |
左側蟇股 |
牡丹 |
牡丹 |
杜若 |
拝殿装飾(右側) |
妻飾り |
懸魚 |
壁 |
木鼻 |
枇杷板(3) |
裏欄間 |
水・蓮に鴛鴦 |
牡丹 |
鉄拐先生 |
獅子 |
鶴 |
鳳凰 |
右側欄間 |
仙人 |
仙人 |
梅福 |
右側蟇股 |
万年青 |
水葵 |
水仙? |
幣殿装飾(左側) |
枇杷板(3) |
蟇股 |
蟇股 |
蟇股 |
蟇股 |
蟇股 |
手挟 |
鶴 |
牡丹 |
松 |
牡丹 |
椿 |
菊 |
牡丹 |
幣殿装飾(右側) |
枇杷板(3) |
蟇股 |
蟇股 |
蟇股 |
蟇股 |
蟇股 |
手挟 |
鶴 |
牡丹 |
植物 |
梅 |
水葵 |
蒲公英(?) |
牡丹 |
本殿装飾(左側) |
枇杷板(2) |
蟇股 |
蟇股 |
欄間 |
木鼻 |
壁 |
脇障子 |
基礎部分 |
鶴 |
鷹 |
鳥 |
菊水 |
龍・獏・鳳凰・菊 |
鳳凰? |
獅子・牡丹 |
獅子・龍・聖獣・牡丹 |
本殿装飾(右側) |
枇杷板(2) |
蟇股 |
蟇股 |
欄間 |
木鼻 |
壁 |
脇障子 |
基礎部分 |
鶴 |
鴨 |
鳥 |
菊水 |
龍・獏・鳳凰・菊 |
鷹 |
獅子・牡丹 |
獅子・龍・聖獣・牡丹 |
本殿装飾(背面) |
枇杷板(2) |
蟇股 |
蟇股 |
欄間 |
木鼻 |
壁 |
脇障子 |
基礎部分 |
鶴 |
鴛鴦 |
鳳凰 |
菊水 |
龍・獏・鳳凰・菊 |
龍虎 |
獅子・牡丹 |
獅子・龍・聖獣・牡丹 |